年末などの長期休暇ではFX初心者の方がFX取引の準備を始めるチャンスでもあります。
中にはクリスマス以降が長期休暇という企業もあるため、その時間を使って取引を行うのは理にかなっているように思います。
しかし、年末だけはFXで注意しなければいけないポイントがあります。
FX初心者が初めての取り引きを年末に始めてはいけない
年末には、大手投資家・トレーダーがこぞって年末休暇に入ります。
特に欧米のトレーダーや機関投資家たちは、一気に年末休暇を取ります。
そこで一気にマーケットのプレイヤーが減り、相場が動きにくくなります。
全世界で約100万人のトレーダーが相場を毎日動かしています。
ある人が『買い』を注文すれば、需要と供給のバランスが崩れて価格が動いていきます。
それが、プレイヤーの数が100万人から50万人に減ったら、その一人の動きの影響は2倍に膨れ上がります。
大抵、世界では買いが50万人・売りが49万人などと注文が重なって価格が決まっています。
それが半分になったら同じ比率であっても、買いが25万人・売りが23万人となって買いがより優勢になります。
要は、年末は価格が硬直しやすい。
初心者が半分当てずっぽうで取引するには、ハードルが高い。予想の反対に値が動いたとしても、なかなか戻らない。という状態にハマっていってしまいます。
初心者は『売り』をやらない方がいい
騙されたと思って、売りには手を出さない方がいい。円に対して価格が下がる局面であれば、待つか別の通貨ペアを探す方が賢明です。
売りは買いの単なる反対の取引ではなく、とても難しい取引です。
売りが難しい理由はスプレッドが関係している
スプレッドは各社で違います。手数料とも呼ばれています。
スプレッドの幅があることで、一般的にどの通貨ペアも、買いの方が手数料が少ない。
厳密には正しい表現ではないですが、買いの方が安く買って高く売れる。というイメージです。
そもそもスプレッドとは
スプレッドとは、売値と買値の差です。
例えばドル円ペアで言うと
・売り(Bidとも言う)110.100円
・買い(Askとも言う)110.105円
であれば、スプレッドは0.5銭ということになります。
昔は取引手数料とスプレッドの両方があり、今は手数料が無料ですので、スプレッドの中に手数料が含まれるという意味で手数料と言われます。
なので、取引をして後から○○回取引したから△円というようなものではありません。
買いと売りでスプレッドの影響は同じ
計算をしていけばすぐ分かります。両方ともスプレッド0.5銭で、10銭分勝った取引を想定してみましょう。
まず買いの取引です。
①買い:110.105
②売り:110.115
先ほどの上記売り相場より+15銭動いたことになる
では次に売りの取引
①売り:110.100
②買い:110.090
先ほどの上記売り相場より+15銭動いたことになる
取引自体への影響は同じです。しかし、売りはハードルが高い理由はしっかりあります。
売りはスワップを支払う場合が多い
スワップとは、金利のことです。
通貨ペア同士の金利の差を、日をまたいだ時に注文している人が受け取りor払います。
これが、一般的に売り注文の方が払う側で、買い側が受け取る側です。
その理由は、日本が世界的に見ても超低金利施策の国だからです。
つまり、金利の差を出すと、売り注文では逆に買われる側の通貨の金利に負けてしまうのです。
長く保有する場合は、初心者は負けている場合が多いです。
勝っているときはこまめに決済して利益を確保する心理が働きますが、負けているときは戻るのを待つ、損切りできない心理となってしまいます。
ということは、長く持っている(負けている)状況において、さらにスワップを払う必要がある。
そうなってくると、冷静な判断ができなくなってしまいます。
FXは心理戦ではないですが、メンタルバランスが崩れると負けます。必ず大負けを出します。
そうならないためにも、最初は売りを控える。慣れてきてからでも遅くはありません。